2006年03月19日

林憶蓮『野花』

 もともと流行モノを追いかけるのではなく、ハズレのなさそうな過去名盤を追って行くという小市民的性分なんですが、中華ポップスについては名盤ガイドなんてものもなく、ベスト盤はやたらとあるのに、オリジナル旧譜の入手が容易ではないので、なかなかそういう機会にめぐまれません。思いも寄らずアイドルに走ったりしてるのは、あくまでもそういうわけです(^^;
 そんななか、日本でのリリースもあり、名前だけは以前から知っていて一度聞いてみようと思っていたサンディ・ラムのアルバムが再発されていましたので、入手しました。
 名盤との誉れが高いらしい「野花」です。
 紙ジャケで、ディスクそのものもLPに似せた溝の線まで入っていて、香港でもオジさん狙いが流行なのかと思ってしまいます。もっとも、91年リリースだからそもそも既にCDだったんじゃないの?という疑念がわきあがりますが。


野花


 さて、内容の方はというと、一聴すると90年代初頭の香港ポップスっぽい印象。
 と言っても、同時期の香港ポップスはは王菲と彭羚をベスト盤で聞いてるだけなので、一般的にそんなことが言えるのかはまったくわかりません。
 フェイとキャスの当時の曲には、80年代末頃からのラフェイスやジャム&ルイスが展開したポップなソウルミュージックの影響を強く受けてるなぁという認識を個人的に持っているんですが、当のソウルミュージック自体をリアルタイムでは聞いてなかったので、結局どこをとっても曖昧ではあります。
 いずれにせよ、この作品もフェイやキャスの同時期の作品と似たテイストを感じ取れるということを言いたい訳です。
 また、フェィとキャスについていえば、その頃のものについてはまったく興味を惹かれないというのが正直なところ。本人の個性よりも当時の流行の楽曲というイメージが強くて、ヒットはしたのかもしれないけれど、今さらひっぱり出して聞こうという気にはなりません。
 この「野花」についても、時代を超えるほどの作品ではないのかと一瞬思ったりしましたが、何度か聞いて耳に馴染んでくるうちに、流行音楽的な部分は、なまじ経験値があるために僕の耳に先に入ってきただけだということがわかってきました。
 実際には、流行音楽に中華音楽の古典的なテイストを効果的にしかも違和感なく取り込んだ意欲的な音作りがなされていて、サンディのボーカルは豊かな表現力をもってして、それに見事に応えています。
 そう気付いてからは、もう手放せません。
 ファンク風味でかっこいいDick Lee作「花之色」、中華風味をおしゃれなポップスに消化した「夜来香」、大陸の雄大さを感じさせる昔ながらの中華音楽っぽいのになぜか古臭くない「野花」などなど。
 個性的な各曲が統一感をもってまとめられていて、まさに名盤。

posted by Zhi-Hong at 11:46| 台北 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 中華POPS日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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